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平成大合併の功罪

 総務省のHPに「都道府県別合併実績」というデータが掲載されています。データは随時更新されているようですが,現時点では平成11年3月31日と平成26年4月5日の市町村数のデータでした。このデータをもとに,合併以前の自治体数と減少数,減少率,および国土地理院による県別面積のデータを順位で並べ替えてみたのが下の表です。

順位H11.3.31の
市町村数
H26.4.5の
市町村数
減少数減少率(%)H.25.10.1の面積
(平方Km)境界
未定地域を除く
1北海道212北海道179新潟県82長崎県73.4北海道83,457.48
2長野県120長野県77広島県63広島県73.3岩手県15,278.89
3新潟県112埼玉県63長崎県58新潟県73.2福島県13,782.76
4岐阜県99福岡県60岐阜県57愛媛県71.4長野県13,104.95
5福岡県97福島県59鹿児島県53大分県69.0秋田県11,636.32
6鹿児島県96千葉県54岡山県51島根県67.8新潟県10,363.75
7熊本県94愛知県54兵庫県50山口県66.1岐阜県9,768.20
8埼玉県92熊本県45愛媛県50岡山県65.4青森県9,644.74
9兵庫県91茨城県44熊本県49秋田県63.8鹿児島県9,044.66
10福島県90大阪府43秋田県44滋賀県62.0広島県8,479.81
11愛知県88鹿児島県43長野県43香川県60.5兵庫県8,396.47
12広島県86岐阜県42茨城県41佐賀県59.2熊本県7,267.93
13茨城県85兵庫県41三重県40三重県58.0静岡県7,255.48
14千葉県80沖縄県41島根県40山梨県57.8高知県7,105.20
15長崎県79青森県40大分県40岐阜県57.6岡山県7,009.61
16岡山県78東京都39静岡県39富山県57.1宮城県6,862.15
17静岡県74奈良県39山梨県37鹿児島県55.2宮崎県6,794.78
18宮城県71宮城県35山口県37兵庫県54.9島根県6,707.98
19群馬県70山形県35福岡県37石川県53.7山形県6,652.11
20愛媛県70群馬県35宮城県36静岡県52.7栃木県6,408.28
21秋田県69静岡県35群馬県35熊本県52.1群馬県6,362.33
22三重県69高知県34愛知県34徳島県52.0山口県6,114.14
23青森県67岩手県33北海道33福井県51.4茨城県6,095.84
24山梨県64神奈川県33福島県31鳥取県51.3三重県5,761.63
25岩手県59新潟県30滋賀県31宮城県50.7愛媛県5,678.51
26島根県59和歌山県30埼玉県29群馬県50.0愛知県5,116.24
27大分県58三重県29佐賀県29栃木県49.0大分県5,099.65
28山口県56山梨県27青森県27茨城県48.2千葉県5,081.93
29高知県53岡山県27岩手県26岩手県44.1福岡県4,847.32
30沖縄県53京都府26千葉県26京都府40.9和歌山県4,726.32
31滋賀県50宮崎県26徳島県26宮崎県40.9京都府4,613.26
32和歌山県50秋田県25香川県26青森県40.3山梨県4,201.17
33徳島県50栃木県25栃木県24和歌山県40.0福井県4,189.89
34栃木県49徳島県24石川県22愛知県38.6石川県4,186.21
35佐賀県49広島県23富山県20福岡県38.1徳島県4,146.81
36奈良県47長崎県21和歌山県20高知県35.8長崎県4,105.88
37山形県44愛媛県20鳥取県20長野県35.8埼玉県3,767.92
38京都府44佐賀県20高知県19福島県34.4滋賀県3,766.90
39大阪府44石川県19福井県18千葉県32.5奈良県3,691.09
40宮崎県44滋賀県19京都府18埼玉県31.5鳥取県3,507.31
41香川県43鳥取県19宮崎県18沖縄県22.6佐賀県2,439.67
42石川県41島根県19沖縄県12山形県20.5神奈川県2,416.05
43東京都40山口県19山形県9奈良県17.0沖縄県2,276.72
44鳥取県39大分県18奈良県8北海道15.6東京都2,103.97
45神奈川県37福井県17神奈川県4神奈川県10.8富山県2,045.80
46富山県35香川県17東京都1東京都2.5大阪府1,901.42
47福井県35富山県15大阪府1大阪府2.3香川県1,862.35
3,2331,7201,51346.8
 実に半数以上の都府県で自治体の数が半分くらいになっていますが,その結果として多様性や(経済効果で計れない)豊かさが半分くらいにやせ細ったということになってはいないか,と心配になります。合併の意義として,行政の効率化が言われますが,行政が画一化することで今まで以上に無駄が生じている反面,忘れ去られ消えていくものも少なくありません。某地でマンホールを採集していたら,地元の方が話しかけてこられて,そこに描かれていた名物の松が,合併した新市の方針で予算をカットされ,養生がままならないままに枯れてしまったと。多様性を担保されない効率化はファシズムにほかなりません。
 一方で同一市内は同一サービスが原則なので(あるいは下水の普及率が下がることを恐れて――何故恐れるかについては触れませんが)これまで自家浄化槽に頼っていた山間部に下水を引くために延々と山道を越えて真新しいマンホールが続いていたりします。下水道に接続する費用がバカらしい,という地元の方の話も聞きました。
 合併が多いのは西日本や日本海側に多く,意外に東北が少ないこと,北海道ももともとの自治体数が多いので減少数は多いのですが,減少率で見ると思ったほど減少していないのも目をひきます。これらの地方は自治体の財政が逼迫していて合併によるメリットが生まれない,という事情があるかもしれませんが,一方で,明治維新以降,ことあるごとに中央政府の都合に振り回されてきた地方でもあるので,今回は手を変え品を変えの飴やムチにそっぽを向いた,という面があるのかもしれません。山梨県と長野県は隣同士で似通った面が多いと思うのですが,この合併に関してはずいぶんとその方向が違うように読み取れます。ここにも県民性の違いがあるのかもしれません。
 ところで香川県は合併前の自治体数が全国41位にもかかわらず,減少率が11位となっていますが,現地に赴いてみるともともと県の面積が日本一狭いので合併前の隣り合った自治体は生活圏が一体となっている場合が多く,合併によって多くのメリットが生じたのではないかと思います。愛媛県や佐賀県でも同様ではないでしょうか。
 大都市圏ではもはや合併する余地がほとんどないということで,東京神奈川大阪などはほとんど合併がなかったのは納得できるとして,あれこれを見比べてみると,自治体の適正規模は人口からだけでも面積からだけでも語れないことが分かってきます。
 何が功で何が罪かは,五十年百年たたないとはっきりしないとは思うのですが,そして県単位のざっくりした話とはいえ,このデータを眺めていると,もやもやといろいろな妄想が湧き上がってきて,気がつかないうちにずいぶんと時間がたってしまっているのでした。