2026浦賀愛宕山導灯(前灯)/2027浦賀愛宕山導灯(後灯)

 

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2019/01/04

新春の穏やかな日に,灯台表からデータをピックアップするときに見落としていた【2026-2027】浦賀愛宕山導灯を訪問しました。車では止めるところに苦労するのはわかっていたので,地元の利を生かして電車と徒歩での訪問です。京急浦賀駅から浦賀湾の西側を南に進み,久里浜方面へ向かう県道を越えたあたりから海沿いの自動車道から1本内側に入った旧道(浦賀道)を進んでいくと,愛宕山公園の入口があります(上左)。この路地を入って思わず急な階段(上右)を登っていくと左には行く小道があり(下左)ちょっと足元が不安な山道をほんの1分ほど行くと【2027】浦賀愛宕山導灯(後灯)の横に到達。そこからは工事現場のキャットウォークのような仮道が作られていてその先に前灯も見えています。先人の訪問記には見つけるのに苦労したという話もありましたが,新参者はその苦労を参照できるので簡単に到達することができました。

不思議な形の頭標と一体になっている【2026-2027】浦賀愛宕山導灯。左が後灯の全体像,右が前灯の全体像で背後に後灯も写っています。灯質は不動緑光なので,灯器も緑色に見えます(下左,これは後灯の灯器ですが,前灯もほぼ同じ)。下右は後灯の灯器部を後ろから見たところでコントローラーボックスのようなものが取り付けられていました。
この導灯は2003(平成15)年3月12日付けの三管区水路通報第10号によれば平成15年4月1日に「住友重機愛宕山導灯」から名称が変更されたもので,灯台表には「白塔形」とありますが,「白板状」といったところでしょうか,灯器はしっかりしているものの構造物はずいぶんと簡易的なものでした。

導灯付近から浦賀湾を見渡したところ。湾を出たところが浦賀水道で,その沖に見えているのは房総半島です。目の下の大きな船の右側のL字状の桟橋が陸軍桟橋といわれるもので,ここへ行けば導灯も見上げることができそうです。導灯から愛宕山公園(「咸臨丸出港の碑」やら「鉄幹・晶子の文学碑」やらがある)に登ってから,桟橋の方に回ってみました。

陸軍桟橋付近から,導灯を見上げたところ(上左)。建物が邪魔をしたり,草むらや木の茂みに隠れたりはしますが,海岸から導灯を確認することができました。上右は「2灯一線291.5°」になったところ。手前の家屋と電線がちょっと邪魔です。愛宕山の真下辺りから浦賀の渡し(下左)が出ているので,これに乗って対岸に渡ったら導灯がよく見えるかと思いましたが,ちょっと遠くなるのと逆光だったので,導灯が確認できる程度にしか見えませんでした(下右)。
長年見落としていた導灯でしたが,ちょっと風変わりな導灯を見ることができ,また黒船来航のまちと喧伝している浦賀をちょっとばかり歴史散歩することもできたし,いつかは乗ってみたいと思っていた浦賀の渡しにも乗ることができたので,とても充実した一日でした。

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