名前のもとになるほど，花の形が面白くて特徴がありますが，やはり山ではその色が目立ちます。草原でいっぱい咲いているところも見かけないわけではありませんが，付近では薄暗い林の中や藪影に多く見かけます。
　花穂が結構大きいので，部屋に飾れば立派だとは思いますが，やはり有名な毒草ゆえためらわれます。庭に植えるのも躊躇せざるを得ません。一方これを園芸店で買ってきて犯罪に使って見つかったという話を聞きましたが，山に入ればいくらでも手に入るものを園芸店で購入するとはおろかな話です。

　単なるトリカブトという種はないということなので，これはヤマトリカブトでしょうか。この花に限ってはあまり詳しくならないほうがよさそうなので，詳しくは調べないことにします。

　大きな白い穂は，サラシナショウマ，エンジ色の細い花穂はアカソです。

　大群落を見つけました。ただし手前の少し赤みがかった紫の一群は，カワミドリです。トリカブトはこの上にも横にもいたるところに大株になっていました。時期がちょっと早かったので，まだ花の色は薄いのですが，これが盛りとなった頃には，崖一面が濃い紫の一色になっていたことでしょう。