数年間，同じ花だと思っていました。何年目かに，新しい花を見つけたと大喜びで写真を撮り，ついでに数本摘んで食卓に飾りました。新しいプリンターを買ったときに，撮りためた写真をプリントしようと思い，「hana」フォルダーを整理していたら，イヌゴマと名前のついたファイルに，大量にクルマバナが混じっていました。
　上から３枚がイヌゴマ，下の３枚はクルマバナですが，個体によっては見分けがたいものもあります。間延びしていたり，寸が詰まっていたりすると極めて紛らわしい形態です。
　同じシソ科，同じ季節に咲く花どうし，混生していることもあるので，やむを得ません。ある日目から鱗が落ちて，ああそうだったのか，と気づけばよしとしておきましょう。

　イヌゴマもクルマバナもほどほどの花の大きさ，色の鮮やかさで，群生していることが多く，それほど珍しい花ではないので，あまり罪悪感を覚えずに摘んできて小屋に飾ることができます。気楽な付き合いができる花といえるでしょうか。右の写真のようなところに通りがかったら，数本は摘まずにいられないでしょう。摘まれるほうにとっては迷惑な話ですが。