鹿角郡

小坂町

2015/07/26

【小坂町】明治末期に小坂鉱山の厚生施設として誕生し,現在でも現役の芝居小屋として親しまれている康楽館の絵柄です。その上部に左右から枝を伸ばしているのはサクラではなく,アカシア。町内には300万本のアカシアが群生し,「かおり風景100選」に「小坂町明治百年通りのアカシア」が選ばれるなど,小坂町を象徴するものの一つになっていて,毎年アカシアまつりが盛大に行われるのだそうです。小型蓋(上右)もほぼ同じデザインです。下は康楽館の実物。アカシアのことを知っていればもう少し引いて撮ったのですが,ここに掲げた写真にも上の方にかすかにアカシアの葉っぱが写っています。ここでアカシアといっているのは多分ニセアカシアのことで……というような話はさておき,問題は中央上部に入っている紋章です。一目見て「小」をデザインしたもので町章だろうと思うのが人情ですが,調べてみるとさにあらず。WEBでずいぶんと探してみたのですが,結局何なのかわかりませんでした。

【小坂町】正しい町章の入った仕切弁(上左)と排泥弁(上右)の蓋。これに対して,下の二つは上に掲げた康楽館蓋と同じ「小」をデザインしたマークが入っています。使われ方としては町章と全く同じで,WEBで唯一「観光シンボルマーク」という記述を見つけたのですが,康楽館ならいざ知らず,仕切弁(下左)や空気弁(下右)に「観光」シンボルマークを使うはずもないと思います。町のHPにも見当たらず,唯一「小坂町の郷土史」のページに「昭和61年(1986)/1月/観光キャッチフレーズ『はずむ小坂町』,シンボル・マーク決定」という記載があったので,これが一旦ただのシンボルマークになり,やがて忘れられたのかもしれません。キャッチフレーズの方はいまでもHPの「小坂町について > 町の概要 > プロフィール」のトップに「標語」として掲載されています。

小坂町は町のどこを歩いても美しく,古いものもきちんと保存するだけでなく今でも大事に使っていて,大変心地よい町でした。また町の中心地のみならず,一歩町の外に出ると豊かな自然に囲まれていて,何と素敵なところだろうと思っていたら,「日本の最も美しい村連合」のメンバーであることがわかりました。さもありなん,こういう地域こそがその名にふさわしいと思って帰宅したのですが,上記シンボルマークのことが喉に刺さった魚の小骨のように気になって仕方ありません。町役場に問い合わせればいいんでしょうけど,それだけはしたくない……。

 前の蓋    ホーム  蓋の模様 / 東北 秋田県  どっかの蓋  上へ   次の蓋