6330伊王島灯台

旧伊王島灯台史員退息所

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2016/03/17

【6330】伊王島灯台付近は車は進入禁止なので本来は伊王島港付近の駐車場からシャトルバスで訪問することになっています。ところがバス乗り場(と駐車場)が見つからずにずんずん進んでいくと灯台の手前の駐車スペースまでついてしまったので,そこに車をおいて灯台を訪問しました。本当はいけないんでしょうけど,あまり近隣やバスの運行に迷惑をかけることもなさそうなのでちょっとだけ勘弁していただくことにして,大急ぎで灯台を往復しました。

2016/03/17

2016/03/17

2016/03/17

【6330】伊王島灯台を訪問したのは,ちょうどサクラの開花し始めたころでした。灯台の正面左に燈光会の周知板も見えています(上左画像クリックで別窓拡大表示)。江戸条約灯台の一つでその堂々たる姿から(上右),明治期灯台と思い込んでいたのですが,周知板によればブラントンの手になる初代の灯塔は長崎の原爆の爆風のため傷んだので昭和29年に四角形の灯台に修復,その後平成15年に初代の姿に復元したとのことです。初点プレートは修復時のものですが,初代の形式を踏襲しているのでしょうか(下左)。ダイヤ型に補強金具の入った灯ろうは建造時の反射鏡21面を設置した第1等灯台のものをそのまま使っているということで大層立派ですが,中のレンズは現在4等レンズなので,灯ろうに比べてちょっと寂しいです(下右)。

灯台の横に初代の灯台が立っていた石積みの基礎が残されています(左)。奥にある解説版によるとブラントンが建設したこの場所には,当時すでに鉄製六角形の灯台(灯明台)が立っていたということです。右は沖合に見えた【6331】平瀬灯標で,五島行のフェリーや伊王島港からよく見えたので,別にページを立てました。

灯台に付属する伊王島灯台記念館(旧伊王島灯台吏員退息所)は明治期洋風建築の重要な文化遺産として近代化産業遺産にも登録されています。正面に列柱7本を配したベランダが特徴的です(上左)。豆酘埼灯台で使われていた4等不動レンズ(上右)を始め灯台関係の資料が展示された内部を見学することができます(下左)。下左の画像のマントルピースの左にはブラントンの肖像画とその業績などが展示されていました。この灯台記念館(退息所)は灯台に続く道の山陰に立っていて,うっかり見逃して通り過ぎそうになりました(下右)。けれどもこういう立地だったからこそ,原爆の爆風から逃れることができたのでしょう。

五島からの帰りのフェリーから見た【6330】伊王島灯台。岬の崖の上に立つ姿は陸側からよりも魅力が何割増しかに見えます。灯台の右下の方に退息所の屋根が見えています。無理やりアップしたものを見てみると(下右),大きな灯ろうの中に小ぶりのレンズの姿が分かります。

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